綺羅星のようなショパンの作品群の中において、マズルカというのはたしかに、少々地味な存在なのかもしれません。
しかし目立たないながらも、その数はなんと50曲以上にのぼり、ショパンの作品中、最多の曲数を誇るジャルンとなりました。
ショパンが生涯にわたり、まるで日記のように書き続けた音楽、それがマズルカだったのです。
マズルカをお聴きいただくと、ん?なんだか独特の雰囲気だなあ、と思われるのではないでしょうか。
細かなことを言い出したらキリがないのですが、事実、このショパンのマズルカという音楽は、あらゆるピアノ作品の中でもかなり特殊な、それゆえに大変魅力的な音楽ともいえましょう。
せっかくですので順を追って、その魅力を味わってみたいと思います。独特の雰囲気の正体は何なのでしょうか。
いつになるかはわかりませんが、全曲をアップロードできるといいなあ。
第1番となりますのは、
♫ 作品6-1 嬰へ短調
ショパンはこれ以前にも沢山マズルカを書いていますけれど、作品番号が与えられたのはこの曲からです。満を持しての第1番ということになります。
1発目からしてこの哀愁、僕は初めて聴いた時、最初のフレーズから耳が釘付けになったことを今でも覚えています。やはりショパンのマズルカはただものではありません。
真ん中の部分では、鈴でしょうか、タンバリンでしょうか、何やら打楽器を持って踊っているみたいですね。
そうなのです、マズルカというのは踊りの音楽、それもポーランドの地方都市が発祥という、かなりローカルな、いわゆる民族音楽なのです。